11月30日は「人生会議」の日。あなたが大切にしたい「これからの生活」とは?

11月30日は「人生会議の日」
皆さんは「人生会議」という言葉を聞いたことがありますか?
厚生労働省では、11月30日を「人生会議の日」と定めています。
「人生会議」と聞くと、少し難しそうに感じたり、「まだ自分には関係ない」と思ったりする方もいるかもしれません。
しかし、人生会議は高齢になってから、あるいは大きな病気になってから始めるものとは限りません。
これからの人生をどのように過ごしたいか、自分が大切にしていることは何か。
そんな身近なことを考えるのも、人生会議への第一歩です。
11月30日の「人生会議の日」をきっかけに、これからの自分の生活について、少し考えてみませんか?
人生会議(ACP)とは?
人生会議とは、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の愛称です。
将来、病気やけがなどで自分の意思を伝えることが難しくなった場合に備えて、自分が望む医療やケアについて、家族や医療スタッフなどと前もって繰り返し話し合い、共有する取り組みをいいます。
例えば、皆さんはこれからの生活について、どのような希望を持っていますか?
- できるだけ自分の家で暮らし続けたい
- 家族や友人との時間を大切にしたい
- 趣味や旅行を楽しみたい
- 病気になっても、できる範囲で自分らしく生活したい
大切にしたいことは、人それぞれ違います。
人生会議は、単に「人生の最期にどのような治療を受けるか」を決めるためだけのものではありません。
「自分はこれからどう生きたいのか」を考え、その思いを周囲の人に知ってもらうこと。
それが、将来の医療やケアを考えるうえでも大切な土台になります。
なぜ、元気なうちから考えることが大切なのでしょうか?
私たちは普段、明日も今日と同じように生活できると思いがちです。
しかし、突然の病気やけがによって、これまで当たり前にできていたことが難しくなったり、自分の気持ちをうまく伝えられなくなったりすることもあります。
また持病が徐々に進行したり、加齢で少しずつ動けなくなったり、気づいたらやりたいことを我慢することが多くなってしまうこともあります。
そんなとき、家族や周囲の人は「本人はどうしたいのだろう」「どのような医療を望んでいるのだろう」と悩むかもしれません。
普段から自分の考えを伝えておくことは、家族が本人の思いを理解し、判断する際の大きな助けになります。
また、体調が悪くなってから初めて考えるのでは、選べる選択肢が限られてしまったり、気持ちや時間に余裕がないこともあります。
だからこそ、元気なうちから、自分にとって大切なことを考え、少しずつ話し合っておくことが大切なのです。
もちろん、今すぐすべてを決める必要はありません。
年齢を重ねたり、健康状態や生活環境が変わったりすれば、考え方が変わることもあります。
人生会議は一度きりのものではなく、その時々の気持ちに合わせて、何度でも話し合い、見直してよいものです。
家族だけでなく、医療スタッフとも話してみましょう
人生会議というと、家族との話し合いを思い浮かべる方が多いかもしれません。
もちろん、自分の思いを家族や身近な人に知ってもらうことは、とても大切です。
それと同じくらい、かかりつけの医師や看護師など、医療スタッフと考えを共有しておくことも重要です。
例えば、「これからも旅行を楽しみたい」「できるだけ自分の足で歩き続けたい」「住み慣れた自宅で生活したい」といった希望があるとします。
その希望を実現するためには、今の健康状態を知り、病気がある場合には、その病気について正しく理解することも必要になります。
どのようなことに気をつければよいのか、これからどのような変化が起こる可能性があるのか。
医師や看護師と相談することで、自分の状態に合った生活の工夫や、今後の治療について一緒に考えることができます。
医療スタッフに伝えるのは、病気の症状や検査結果についての質問だけではありません。
「こんな生活を続けたい」「これからも、この楽しみを大切にしたい」といった思いも、ぜひ聞かせてください。
病気を治療することだけでなく、その人が大切にしている生活を支えることも、医療の大切な役割です。
日頃から思いや目標を共有しておくことは、もしものときに、その人の希望を尊重した医療やケアを考えることにもつながります。
何から始めたらいい?「私の意思表示ノート」のご紹介
人生会議が大切だとわかっても、「何を考えたらいいの?」「家族と何を話せばいいの?」と迷ってしまうかもしれません。
そんな方にご紹介したいのが、埼玉県医師会が作成している「私の意思表示ノート」です。
このノートは、自分の思いや希望を整理し、家族や医療スタッフと話し合うきっかけとして活用できるものです。
自分が大切にしていることや、将来の医療・ケアについての考えなどを、書き込みながら整理できます。
最初からすべての項目を埋める必要はありません。
まずは書けるところから始めてみましょう。
そして、書いた内容を家族や信頼できる人と話してみてください。
自分一人では気づかなかった思いが見えてきたり、家族の考えを知るきっかけになったりするかもしれません。
また、医療に関する内容でわからないことがあれば、かかりつけの医師や看護師に相談してみましょう。
書いた内容は、後から変更しても構いません。大切なのは、一度決めたことを守り続けることではなく、そのときの自分の気持ちを大切にすることです。
埼玉県医師会「私の意思表示ノート」
上記のページから無料で閲覧・ダウンロードできます。
これからの人生を、自分らしく生きるために
人生会議は、決して特別なことではありません。
「これからも家族との時間を大切にしたい」「好きなことを続けたい」「できるだけ自分らしく暮らしたい」。
そんな日常の何気ない思いから始めることができます。
大切なのは、将来のことをすべて決めておくことではなく、自分が何を大切にして生きていきたいのかを考え、その思いを周囲の人と共有しておくことです。
もちろん、将来について考えたり話したりすることがつらい場合は、無理に進める必要はありません。
11月30日の「人生会議の日」。
まずは家族や身近な人と、これからの生活について話してみませんか?
そして、健康や病気について気になることがあれば、ぜひかかりつけの医師や看護師にも相談してみてください。
人生会議は、人生の終わりだけを考えるものではありません。これからの人生を、自分らしく生きていくための大切な話し合いです。

